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田中一平のオンライン日本史講座 

(日本史論述添削をオンラインで依頼することができます。ぜひご活用ください。)

講評

解答

飛行機雲と兼松講堂

一橋大日本史の傾向&対策】

一橋大学の日本史は他の国立大学にはない大きな特徴があります。それは各設問の文字数が指定されておらず、各受験生が任意で字数配分を考えなければならないということです。一橋大学の他の地歴科目では字数が指定されていますが、日本史受験を決めた方は気を配らないといけないことが増えたといってもいいでしょう。本来大して書かなくてもいいような設問に大部分を割いてしまうと点数が伸びなくなるからです。しかし、この条件は自分の知識がある問題に字数をかけ、自信のない問題は必要最低限しか書かないという調整もできることを意味しています。下記では一橋日本史に有効な対策を書いていこうと思います。

基本的な傾向

  • 大問は3つ。それぞれの大問は全ての問を合わせて400字以内で「論述」(短答問題も含む)。
  • 大問1の範囲は古代・中世から近世まで。近世のみの場合もある。大問2の範囲は近代、大問3の範囲は近代まで、または近現代まで
  • 頻出は「社会経済史」で、過去問の類題が多め。
  • 近年は社会経済史以外の問題や「文化史」、過去問には無かった問題も増加傾向

 

私は一橋の日本史は大学受験日本史の集大成で、最も難易度が高いと考えます。それは、全ての問が「論述」であることに起因しています。確かに早慶ではかなり細かい知識も要求されるため一橋よりも難しいのでは?と考える方もいると思いますが、早慶の主な出題は「選択問題」で占められているため、わからなくても「勘」で正答してしまう可能性があるからです。一方で、一橋では「勘」が通用しないことは明白です。少なくとも自分で何らかの文章を書かなければ正答は不可能で、そもそも単語しか覚えていないような受験生には手に負えません。この要素が難易度を急激に上昇させています。「論述」であること以外の他の理由としては、

  1. 短めの論述から長めの論述が網羅的に出されること。
  2. 語句記述も出され、稀に早慶レベル以上が出されること。
  3. 問題の聞き方が曖昧であること。

の3つです。特に注意しなければならないのは③で、一橋日本史で最も思考力を要します。ここで問われていることと異なることを答えてしまうと芋づる式に次の問いにまで影響が出る可能性もあるので、的確に答える必要があります。対策としては「ある人物や事柄に関して複数の引き出しから導くことのできる知識を蓄える」ことです。例えば2017年の問4<新井白石~「白河侯」までの対外政策>などにおいて、「白河侯」が誰であるかわからなければ答えることはできません。直球で聞かれることはまずないと考え、曖昧な文章で何を答えさせたいのか注意しましょう。

ここで、一橋日本史に関してよく誤解されがちな情報を紹介します。おそらく多くの受験生は『一橋日本史は過去問の類題が多いから過去問研究を徹底的にやれ』という文言を目にしていたり言われたりしていると思います。確かにそれは間違っていません。しかし、それは一橋日本史を解く上での最低限のことであって、合格するためには十分でありません。なぜなら一橋大学に行きたい受験生はみんな過去問を買い、言われなくてもそれを研究しているので、いつまでも過去問に固執していては多くの受験生との差は縮まりません。ですので重要なことは、【過去問の類題ができるのは当然であり、その他の問題にどれだけ手を付けられたかということです。特に、直近2年(2019・2020)の一橋日本史ではそれまでの頻出であった社会経済史が出題されなかったことから今までの対策では通用しなくなってきていることが明確です。また、一橋日本史など論述を出題する大学では私立のような知識は必要ないという人もいますが、それは間違いです。筑波大や東大などの論述では確かに細かな知識をダイレクトで聞いてくることはほぼ無いですが、一橋日本史では2020年では「近江商人」を答えさせたり、過去には「日本資本主義論争を答えさせて、さらにその内容まで」聞かれたり、「公式令」、「日本鉄道機関方スト」、「 廿世紀之怪物帝国主義 」を書かせるなど到底教科書の知識では届かない問題も出ています。また、2021年には「男女雇用機会均等法」の背景も問われるなど、政経の知識がないと解答不能な問題もありました。ですので、早慶上智など最難関私立向けの日本史対策や近現代に関しての政経の範囲に目を通すことも怠らずに勉強することを強くお勧めします。よく誰もできないような問題では差がつかないからそのような勉強はやらなくてもいいという意見もありますが、そのような受け身の姿勢では自分から合格への道を閉ざしていることと同じです。

2022年 一橋日本史 大問1の予想

大問1については、近世のみが出される場合と古代から近世にかけて横断的に聞いてくる場合が混在している印象を受けます。そこで、41年間の大問1についてまとめてみました。

※古代・中世~近世の横断的出題【一部現代まで】は✖、近世メインは●、古代から中世のみは□と表記

この表を見ると、古代・中世以降と近世以降を問う年が比較的交互になっていることがわかると思います。また、古代や中世のみで構成される大問1は稀であり、古代・中世と近世の過渡的特徴や比較を求める問題が多いです。それゆえ、近世のみの出題に賭けるのは非常に危ないので古代・中世の勉強も怠らないようにしましょう。ただ、確実ではありませんが、2021年の大問1では古代・中世以降が問われたため、傾向的には2022年の大問1は近世以降が問われる可能性が高いです。また、2020年に絵から推測する問題が出されましたが、この問題の出し方は、人によって多様な解釈が生じてしまうことやそれ故公正な採点が困難になってしまうことから、適切な出題とは言えません。しかし、これによって資料集などの史料に目を通す必要性が生じてきたことは拭えない事実ですから、積極的に視覚的な勉強も行うことが求められます。

工事中の兼松講堂

おすすめの参考書

①詳説日本史B 山川出版社

基本の教科書です。しかし、ただ眺めているだけでは疲れてしまいますので、マーカーなどで工夫することが求められます。また、欄外にある事柄は極端に小さいですが、見逃さないように注意してください。2019年に出題された日本資本主義論争は欄外に書かれています。

②詳説日本史研究 山川出版社

日本史が好きになってきたら手を出してみましょう。一橋日本史と格闘するのであれば決して過剰な知識ではありません。この本の内容がほとんど自分の者にできるなら怖いものなしです。ただ文字サイズは小さくなっています。

③日本史用語集 山川出版社

よく辞書代わりに使うという方がいますが、これは誤解です。むしろ教科書代わりに使ってもいいでしょう。この用語集には大学受験で使う日本史用語はすべて詰まっていて、しかも教科書などとは異なりすべての用語が同じ文字サイズで掲載されているので気付かなかったということも防ぐことできます。普段使いの「教科書」として使ってみてはいかがでしょうか。

④日本史の論点―論述力を鍛えるトピック60 (駿台受験シリーズ)

教科書としても使える画期的な論述参考書です。この参考書の良いところは問題数が他の参考書と比べて圧倒的に多いところや過去問の転用ばかりでないところです。この参考書で勉強すればかなりのアドバンテージを得られるでしょう。ただ、文化史に関してはほとんど問題が無いため、文化史に関しては当サイトを活用してみて下さい。

おすすめする勉強法

一橋日本史で他受験生を圧倒するための秘訣はできるだけ早く通史を終わらし、近代以降に自信を持つことです。学校のカリキュラムに従う必要はありません。ここでコツとしてお勧めするのが、通史と同時並行的に過去問や論述の参考書で知識をつけ、慣れることです。通史が終わるまで論述に触れないことは致命的です。また、教科書をただ眺めていることは精神的にも参ってしまう方が多いと思いますが、論述の問題を丸ごと覚えてしまえば知識をジャンルごとに整理でき、効率よくしかも精神的にも楽に勉強ができます。過去問は集大成としてやるのではなく日常の教科書代わりにやるという感覚で行きましょう。ここで注意点ですが、過去問は最初から400字で何も見ないで説く必要は全くありません。知識もない状態で時間だけが無駄に過ぎます。むしろすぐに答えを見て早々に覚えてしまった方が効率的です。そして、過去問や参考書や当サイトで見た問題の分野は教科書などにマーカーなどで大きく囲むようにすると、まだ問題として出会っていない部分が視覚的にもわかりやすくなります。そしてさらに重要な対策として「自分で予想問題を作る」ことです。受動的に問題をやるのではなく、積極的に考え、一橋ならどのような問題を出してくるだろうと予想し、その分野を徹底的に自分のものにしましょう。私もそのように勉強をしました。もう一つ重要なことは、参考書での問題はルーズリーフなどでまとめ、一つのファイルにまとめて一度に見られるようにしておくことです。別々の参考書をみて復習するのは効率が悪いですし、ルーズリーフが積もりに積もると自分の努力の形跡が見えるようになってモチベーションも上がります。

本サイトの目的

本サイトは通史は目的ではありません。通史に関しては学校での授業や各教科書で行ってください。ここでは予想問題を提供することで、教科書を眺めているだけでは気づけなかった視点や情報を受験生が得られるようにします(もちろん通史は意識しながら問題は作成します)。また有名な論述参考書に掲載されている頻出の問題“以外”の問題を多く取り入れるようにします。過去問や問題集で頻出の問題に触れながらも、副教材として当サイトでの予想問題に触れることで日本史の知識・一橋に合格できる知識を盤石にしてほしいと願っています。